2015/03/29

強すぎるドルは問題?

ソシエテ・ジェネラルのローレンス・マクドナルドはCNBCに出演した上で、
強すぎるドルこそが原油安の原因だと述べている。

原油価格は昨年後半に入ってから崩れ、半年余りで半値以下に下落した。
価格の下落は、シェール革命による供給過剰に加えて、欧州の景気減速で
石油需要が減退した事が原因だとされてきたが、シェール革命は今に
始まった事ではなく、欧州経済の景気減速も突然、起こったものではない。

同氏によると、原油価格はドル建てで取引されているため、ドルが高くなると
1ドルで以前よりも多くの石油を購入することが出来るようになり、これは
結果的に原油価格の下落を招いていると分析している。

更に、ドルは基軸通貨であっても米国の輸出企業は、外国で製品をドル
建てで販売している訳ではなく、ドル高は輸出企業にとっては大きな
マイナスになるとも述べている。

また、これ以上に大きな問題は、強すぎるドルとは、米国以外の世界経済が
低迷していることの表れであり、本質的な不健全な状態だと論じている。

日本が金融緩和で円を通貨安に誘導しても、日本だけなら問題は生じない。
しかい、(米国以外の)世界中の国が通貨安誘導を行うと、世界経済では
かえってデメリットが生じる事になるというのである。
いわゆる「合成の誤謬」である。

     (ビジネスニュースラインより一部抜粋)

「合成の誤謬」は、個人や個別企業などのレベルで妥当する事が、社会全体の
大きなレベルでは妥当しないと言う事らしい。
一つの貴重な意見として、頭の片隅に入れておこうと思う。
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2015/03/22

マネー退潮への備え

米エバーコアISIによると、過去3年の緩和措置は世界で500件を超えている。
世界的な株高も、欧州で拡大する債権のマイナス金利も、膨張する緩和マネーを
抜きに語れない。
だが、そんな「人工的な流動性の海」も、いずれ退潮する。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は昨年、カネ余りが終わってもマネーに
選ばれる国の条件を示した。
「投資家は経済を、政府の強さを、政策の見通しやすさと実行力を見極めて、
その国にとどまるかを決める」

リーマン危機後で初めてとなる米国の利上げは、世界的なマネー退潮への出発点だ。
94年の米利上げがメキシコ通貨危機を生むなど、米利上げと危機は密接な関係にある。
波乱の芽は日本にもある。
急ピッチで進む株高と、市場心理の虚を突く米引き締めの組み合わせは危うい。

     (日本経済新聞より一部抜粋)

米国の利上げがNYダウの下落につながる事は、過去の例からも予想できる。
ただ、どの程度の下落なのか、どれくらい続くのかは分からない。
それでも大きな分岐点になる可能性があり、注意を怠らない事が必要だろう。
2015/03/15

「クジラ買い」(日本)

クジラは全部で5頭。
買い余力は合計で20兆円を超えるとの試算もある。
「円相場との相関はなくなっているし、米国株とも全く連動しない。
理屈をつけようとすればするほど、分からなくなる」ある外資系の
ストラテジストは苦笑いした。
あまりの相場の強さにサジを投げた様子だ。

   公的マネーからの資金流入規模
 主体      資産規模   日本株比率  組み入れ目標  買い余力  
GPIF       137兆円    19.8%     25%     7.1兆円
3共済       30兆円    10~15%    25%     3.4兆円
かんぽ生命    83兆円     0.9%     5%(仮定)  3.4兆円
ゆうちょ銀行   205兆円     0%      5%(仮定)  10.3兆円
日銀         -         -        -       3兆円
   合計   27.2兆円
(注)UBS証券推計

     (日本経済新聞より一部抜粋)

最近の日経平均の独歩高の一因が「クジラ買い」にあったようだ。
ただ、いつまでも続く買いではない。
警戒をする時期が近づいて来た気もするが、どうなのだろう?
2015/03/08

ソロス氏、石油関連株の大量買い付け

世界的な投資家、ジョージ・ソロスの基幹ファンドとなる「ソロス・ファンド・
マネージメント」がエネルギー大手のDevon Energy、385,497株と
Transocean、149,000株の大量買い付けを実施すると同時に、
グーグル、アップル、インテルといったIT関連株の売却を実施していた
ことが明らかとなった。

市場では、原油価格の先行きに対しては、複数の見方がでており、
今回のエネルギー関連株の大量買い付けを受けて少なくとも
ジョージ・ソロスは短中期的にはエネルギー価格は反発に転じるとの
見方をしていることが明らかとなったことになる。

今回、売却が明らかとなったIT株は、グーグルのA種株(普通株)が
17,142株、C種株(非議決権株)が67,572株、アップルが110万株、
インテルが390万株となる。

     (ビジネスニュースラインより一部抜粋)

ソロス氏の石油関連株の買い付けは、現時点ではベストに近いタイミング
だったと思われる。
ただ、今後も上昇し続けるかは分からない。
それよりもIT株の売却のほうが興味深い。
2015/03/01

さらば「三本の矢」

大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略
という「3本の矢」は、それなりの効果を発揮してきた。
しかし、このところその限界が明らかになりつつある。

第一に効果が薄れている。
金融政策については、異次元緩和策が市場にインパクトを与え、
円安・株高が進んだ。
これが企業マインドと収益を改善させてデフレからの脱却に貢献した。
こうした効果は、主に期待に作用するアナウンスメント効果によるもの。
しかしサプライズはなくなり、アナウンスメント効果も発揮できなくなった。

財政政策については、2013年度の公的固定資本形成(国内総生産
ベースの公共投資)は10.3%増え、成長に貢献した。
しかし14年度は2.4%増、さらに15年度は15%減少が見込まれており
(政府見通し)、経済の足を引っ張っている。

第二に副作用が目立ち始めている。
14年10月の追加緩和は円安を引き起こし、せっかくの原油安の効果を
消してしまった。
「実質所得を上げるはずの原油安の効果が、金融政策のおかげで消えて
しまった」と言うのが正しい認識だ。

     (日本経済新聞より一部抜粋)

アベノミクスの不完全さが露出してきたようだ。
もともと歳出削減策が示されておらず、財政は悪化し続ける内容だった。
これでは好景気になる可能性は無いと思われる。
日本経済の正念場が近づいているかも知れない。